シキタリ

デパートへ行く。
出産祝いをいただいた方々へのお返しを買いに。
不思議なやりとりだな、と思う。
「御祝」として金品を送っていただき、その半額程度を使って品物を買い、「内祝」として返す。
だったら「最初から半額でくれ」と思わなくもない。
ニッポンの「シキタリ」は、とても面倒だ。
でも、良い面もある。
たとえば遠い親戚などは、こういう機会でもなければ、親族なのに一生連絡をとらないことにもなりかねない。
この不思議なやりとりのおかげで、長く会っていないような人たちとも繋がっていられるわけで、そう考えるとまさに「有り難い」機会だなと思う。


最近、よくお茶を沸かすようになった。
そして、お茶には煎餅が良く合う。
熱いお茶を飲みながら、煎餅をばり、ばり。
そうすると頭のなかをよぎるのだ、「有り難や」という言葉が。
ヤバい。
最近、「老人力」の発展が著しい。
言うことも、なんだか年寄りくさくなってきたような……。