吸血日

健康診断を受けに、市の保健センターへ。
最初に就職した印刷会社で受けて以来なので、10年ぶり。


聴力検査に始まり、視力検査、血圧測定、身長体重測定と順調に進み、血液検査。
チクっと射されて、チューッと吸われて、ポンッと抜かれてハイおしまい。
な、はずだった。
しかし、チクっと射されたあと、なかなか動きがない。
1分ほど静かな間が流れたとき、射した人がいった。
「血の出が悪い」
と。
だんだん腕がシビレてきていた。
「あと1mlなんだけど、やり直しましょう」
え? もう1回?
そのショックからか、シビレが全身に回り、ふらふらしてきて、呼吸が苦しくなった。
「大丈夫ですか? 後のベッドに横になりましょうか」
ふらふらしながらベッドに横になる。
その間、何人もの人が採血を受け、何事もなく去っていった。
たぶん、あのベッドを使ったのは、今日は私だけだったに違いない……。
結局、人の2倍血を吸われたせいか、一日中調子が悪かった。
まあ。
でも。
他の人がすんなり行くことが、すんなり行かない──
そんなことは日常茶飯事なので、「こんなもんだな、私は」と思いながら帰る。
保育園の送り迎えなどの、来るべき家人生活も、すんなりいくはずがない?


不安は募るばかり。あと、3日。