マダム記念日

理想の女性は?と訊かれたら「小林聡美」と答えていた。
中学生ぐらいのころから。
ていうことは、えっ? もう20年前?
そんな永遠の憧れなお方が、目の前に──。
今日は小林聡美さん取材。
終始緊張し、胸がばくばく。
目が合うごとに、自分が中学生に戻ったり、高校生になったり。
最後に「実は……」と告白すると、「変わってますねぇ、変わった人だって目で見られたでしょう?」と言われ、「うーん、たしかに周りにそんな人はいませんでした」と返してしまった。
うわっ!ミスった。
大人なんだから、「いやいやそんなことは……」とか言っとくべきだった。
それじゃ小林さんの人気がなかったみたいじゃん。
そういう意味じゃなかったんですよ、マダム!
──ということで、自己嫌悪に陥りながら帰宅。


自己嫌悪のあまりか、帰りの電車で具合が悪くなる。
いや、寒気がするし、風邪?
そういえばマダムは、風邪で体調が悪そうだった。
ってことはこの風邪は……。


後生大事にいたします。

マダム小林の優雅な生活 (幻冬舎文庫)

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