おならはなぜ、臭いのか。

おならは、臭い。
でも、臭いのはなぜか。
何がいったい、あの匂いを生成しているのか?
……考えたこともなかった。


子育てをしていると、考えたこともない疑問が湧き、同時に、答えがわかることがある。
最近、6ヶ月児が、おならをするようになった。
それが、そうとうに臭いのだ。
実は私もおならをしたことがあるように記憶するが、やはり臭かったように記憶している。
恥ずかしいので過去形で振り返るように書いてしまったが、ぶっちゃけ現在形で今もたまにしている。
しかたがない、人間だもの。
人間のおならは、臭いものだもの。


同じ人間でも、赤ん坊は例外なようで。
まず、おならをしなかった。
人知れず親知れずこっそりいたしていたのかもしれないが、音を聞いたことがないし、匂いも感じたことはなかった。
そんなウチの6ヶ月児が臭いおならをするようになったのは、2週間ほど前。
なぜ、突然……?
2週間前に何が!?
思い当たるフシは、ただひとつ。
それまで母乳だけがごはんだったのが、そうではないものを始めて体内に取り込んだのだ。
2週間前から、「おもゆ」と言って、おかゆをすりつぶした、いわゆる離乳食を与えている。
おかゆ、つまり、米だ。
どうやら米がおならを呼び覚まし、しかも臭くさせているようなのである。


では、米を食べない人たちは、おならが臭くないのだろうか。
そんなことはない。
昔出会った、ゲスナーさんというドイツ人がすましていたしたスカシッペィは、鼻がもげるほどの臭さだった。
(もちろん大人なので気づかないふりをキメ込んだ。そりゃもう必死で。)
彼の主食はパンだったと思われるので、パンも、オナラ力を強化させるのだろう。
そういえば、子供のころ、石焼き芋を食べたら、おならが止まらなくなったという経験がある。


そこで、答えが出た。
おならを臭くさせるのは穀物!なのだ。
そんなことも知らなかったの? と思われるかもしれない。
でも、知らなかったのだ。
頭では知っていたのかもしれないけど、体では知らなかった。


現在6ヶ月児は、米だけでなく、野菜を磨りつぶした離乳食も口にし始めている。
穀物オンリーのおならが、これからどう変化していくのか。
その匂いはマイルドになるのか、より刺激的になるのか。
食物が生む音と匂いのハーモニーを、しっかり見つめていきたい。


──って、何かっこつけてんだか。おならの話なのに。
いや、たかがおならとばかにしてはいけない。
おならをしあえる間柄。
それが家族であり、
安心しておならができる場。
それが家庭なのだ。
だから人間は、穀物を主食に生きるのだ。
おならをばかにする人たちがいたら、私はこういうだろう。
「あなた方におならの何がわかる!」


……ときどき、自分が何を言っているのか、わからない。